保護猫を迎えたいと考えたとき、
「成猫は懐かないのでは?」と不安に感じる人は多いと思います。
子猫のようにすぐ甘えてくる姿を想像していると、
大人猫は距離があって、心を開いてくれない存在に見えるかもしれません。
でも、結論から言えば、成猫が懐かないケースは少なく、
多くは「時間のかかる懐き方」をしているだけです。
私も、成猫を何匹か保護した経験があります。
最初から攻撃的ではなかった子は、
時間が経つにつれて距離もなくなり、
気づけば一番そばにいる“べったり甘えん坊”に。
一方で、野良時代の経験から人間が怖い子は、
甘え方は控えめでも、病院では私に縋りつくなど、
確かな信頼を向けてくれています。
成猫を迎えるという選択は、
「懐くかどうか」ではなく、「性格を理解したうえで関係を築く」選択なのだと、今は思っています。
※本記事では、一般的に使われる「成猫(いわゆる大人猫)」という表現を用いています。
成猫は「懐かない」のではなく、懐き方が違う
「成猫は懐かない」と言われる理由
検索で「成猫 懐かない」と調べる人は多いですが、
実際に暮らしてみて感じるのは、懐かないということはないのですが
子猫とは甘えの表現が違うなということです。
子猫は本能的に人に依存しやすく、
抱っこや甘えで気持ちを表すことが多い存在です。
一方、大人猫は甘えの許されない環境で過ごした経験があると、
- 距離を保つ
- 自分からは近づかない
- でも同じ空間には必ずいる
といった、控えめな関わり方を選ぶ子も少なくありません。
後述しますが、私の経験上それは、
「懐いていない」とはまた別の問題でした。
最初は距離があったのに、気づけば一番そばにいた猫
後に、私が座っているときには常に膝に乗るようになった子がいます。
3歳近くで、げっそり痩せていたのを保護した野良でしたが、
この子は最初から、穏やかな性格で、
人に対して威嚇はしてこない子でした。
ただ、触ろうとすればよけるし、
いつも人とは一定の距離がありました。
「この子はこの距離感のままなのかもしれない」と思っていました。
でも、数か月が過ぎたころから、少しずつ変化が現れます。
- いつの間にか同じ部屋にいる
- 気づくと足元で寝ている
- 夜になると必ず近くにいる
抱っこや大げさな甘えはなくても、
「安心できる場所」として選ばれつつあることが、はっきり伝わってきました。
そして、いつの間にか、気づけば膝の上が定位置のべったり猫になっていたのです。
「安心」を納得できるまで距離があるのは当然
人間だって、初対面の人とは様子をうかがいながら仲良くなるんですから
猫だって、「ここは自分にとって安心できる場所なのか」を
納得できるまで、距離を取って様子を見たいのは当然ですよね。
そんなふうに、大人猫との距離感が変わっていく中で、
私が「これは助けになった」と感じたのは、
こちらから関わらなくても、猫が自分で選べる安心場所を用意することでした。
特に、体を隠せるタイプの寝床やドーム型のハウスは、
「使ってもいいし、使わなくてもいい」という距離感を保てるのが大きかったです。
実際、最初は見向きもしなくても、
数日後にそっと中で寝ていた、ということもありました。
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人間が怖い猫でも、信頼はちゃんと伝わってくる
一方で、野良時代の経験から人間を怖がり、
最初は威嚇することもあった大人猫もいました。
その子は、10年一緒に暮らしていても、
いまだに私とは距離があります。
でも、それは「信頼していない」こととは別でした。
保護して、1年ほどたった時に病院へ連れていくことがありました。
「懐いていないのでは」と思っていたし、暴れたらどうしようという心配に反し、
怖さの中で、明らかに私を頼りにして縋りついてきたのです。
その姿を見て、分かりやすい懐き方はしていないけど、
この子なりの信頼の形があるのだと、強く実感しました。
「信頼」の気持ちを守るために
成猫の場合 「甘える」のではなく、
「頼る」「逃げ場として選ぶ」という形で信頼が表れることもあります。
そんなふうに、人を怖がる猫ほど、
病院や移動といった「どうしても避けられない場面」で、
信頼している相手に強く頼ることがあります。
その信頼は、その子にとって日常の安心です。
その安心をできるだけ守ってあげるために、
怖い思いをなるべくしないよう気遣っています。
移動がストレスになりがちなキャリーは、
上から開けられて、姿勢を崩さずに抱えられるタイプを選んでいます。
目隠しもできれば、猫の緊張を少しでも抑えられます。
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成猫の魅力は「性格がわかっている」という安心感
成猫を迎える最大のメリットは、
性格がすでにわかっていることです。
保護団体や譲渡会では、
- 人が好きかどうか
- 他の猫との相性
- 怖がりか、落ち着いているか
といった情報を、あらかじめ知ることができます。
子猫から育てた子でも、
べったりの甘えん坊になるか、
あまり構ってほしくない子になるかは、
性格によって変わってきます。
その「性格」が、成猫は分かっているというのは魅力です。
これは「懐くかどうか不安」という人にとって、
非常に大きな安心材料になるのではないでしょうか。
大人猫を選ぶということは、「過去ごと引き受ける」ということ
大人猫には、子猫のような“これから”だけではなく、“これまで”があります。
外で過ごした時間、人との距離を測ってきた経験、怖かった記憶。
それらは消えるものではありません。
でも、それは欠点ではなく、その子の一部です。
距離が近くならない日があっても、
甘え方が想像と違っても、
その中に確かな信頼があることを感じられると、関係の見え方は変わります。
大人猫を迎えるという選択は、
「理想の姿」を押しつけることではなく、
その子が持っている形の信頼を受け取ることなのだと思います。
成猫を迎える不安は「準備」でかなり減らせる
成猫を迎えるときの不安は、
環境とケア用品の準備でかなり軽くなります。
- 落ち着ける寝床や隠れ場所
- 年齢・体質に合ったフード
- 体調変化に気づきやすいケア用品
これらは、「大人猫が安心して過ごすためにあったらいいもの」です。
でも、大人猫を迎えるときに、
最初からすべて揃っている必要はありません。
・安心して休める場所
・移動時に使えるキャリー
これだけあれば、あとは一緒に暮らしながら、少しずつ整えていけば大丈夫です。
補足で知っておくと安心なこと(保護猫を迎える前に)
大人猫の中には、長い野良生活を経て保護された子も多いでしょう。
野良生活ならではの、こんな豆知識もあります。
知っておくと安心かも。
✔ 野良経験のある猫があまり鳴かない理由
野良ネコはあまり鳴かない?飼い猫が鳴く理由を考える
✔ 避妊去勢が遅れた場合の考え方
猫の避妊去勢は必要?メリット・デメリット・時期・費用まで解説【体験談】
まとめ|見るべきなのは「距離」ではなく「信頼」
成猫の魅力は・・・
- 性格が安定している
- 相性の予測がしやすい
- 落ち着いた距離感から関係を築ける
まとめ
大人猫は、
懐くかどうかだけで測れる存在ではありません。
べったり甘える子もいれば、
距離を保ちながら信頼を示す子もいます。
どちらが正解という話ではなく、
その子なりの信頼の形があるだけです。
もし譲渡会で迷ったときは、
「この子は、どんなふうに人を信頼するタイプなんだろう?」
そんな視点で見てみてください。
特に保護猫の場合、成猫は性格や背景を理解したうえで迎えられる、
とても現実的で優しい選択肢です。
大人猫は、静かに、でも確かに関係を築いてくれる存在です。
懐き方や距離感は、その猫それぞれですが、
あなたがかけた愛情は、必ず「信頼」という形の絆になります。