猫が壁やソファで爪とぎをしてしまい、「ダメ!」とつい声をかけてしまった──。
そんな経験をしたことのある飼い主さんは多いのではないでしょうか。
爪とぎは人間の暮らしにとっては困りごとですが、実は 猫が亡くなる直前まで続けるほど大切な、本能の行動 です。

私が長年一緒に暮らした猫を看取ったときのこと。体力が弱りきった最期の数日まで、彼は爪とぎをしていました。しかし、亡くなる直前の日だけは、その行動が止まりました。
亡くなった後、そのことを思い返し、「爪とぎは猫の生きる力そのものなんだ」と強く感じたのを覚えています。

だからこそ、「爪とぎ=悪い行動」ではなく、「猫にとって必要な儀式」と理解することが、猫と人がストレスなく暮らす第一歩ではないかと思うのです。

本記事では、
・猫が爪とぎをする本当の理由
・どんなタイミングで行うのか
・壁や家具を守りながら本能を満たす環境づくり
を、初心者の方にもわかりやすく解説します。

猫の生きるリズムを理解しながら、
猫も人も困らない“爪とぎ環境” を整えていきましょう。

猫の爪とぎは本能|まず知っておきたい基本

猫の爪とぎには、私たちが思っている以上に深い意味があります。
ただ爪を研いでいるだけではなく、猫が安心して暮らすために欠かせない“理由” がいくつも隠れているのです。

ここからは、まず猫がなぜ爪とぎをするのか、その本能的な背景から詳しく見ていきましょう。

爪とぎは“生きる力”の表れ

爪とぎは単なる癖ではなく、猫が自分の身体と心を整えるための重要な行動です。
獲物を捕まえる力、身を守る力、縄張りを維持する力──それらすべてに関わる“生命活動”そのものといえます。

私が看取った猫も、最期の力を振り絞って爪とぎをしていました。いつもより弱々しかったものの、その姿は「まだ生きようとしている」ように見えたほどです。爪とぎをしてくれると「お別れは今日ではない」と思うこともできました。

この経験から、爪とぎは猫にとって 「生きている証」 。それほど大事な行動のために環境を整えてあげることは、猫の尊厳を守る行為でもあると強く感じるようになりました。

猫が爪とぎで得ている3つの役割

猫の爪とぎには、主に次の3つの役割があります。

  1. 爪のメンテナンス
     古くなった爪の外層を削り、鋭くて健康な状態を保つため。
  2. マーキング(縄張りの主張)
     爪とぎのキズと、肉球から出るフェロモンで「ここは私の場所」と示す。
  3. 気持ちの切り替え・ストレス発散
     興奮したとき、飼い主が帰ってきたとき、気分転換するときなどによく見られる。

この3つの役割を満たしてあげることは、猫の安心感にもつながります。

実体験から感じた“爪とぎの重要性”

うちの猫が亡くなるとき、体力も落ち、歩くのもよろよろとふらつくようになっていたのに、それでも日に数度、いつもの場所で爪とぎしていました。元気な時の力強さに比べれば、バリバリという音は控えめでしたが、…でも確かに爪をといでいました。

その姿を見たとき、
「猫にとって爪とぎは、最後まで守りたいほど大切な行動なんだ」
「この子はまだ生きようとしている」
と胸が熱くなりました。
逆に言えば、爪とぎをしなくなった時こそ、その子の力が尽きるときでした。

だからこそ、健康な日常を送っている猫には、爪とぎを“思う存分”してほしい。そして、“そうできる環境”が必要なのだと感じています。

なぜ猫は爪とぎをするのか?理由を深掘り

1. 体のメンテナンス

爪を整えるための自然な行為で、爪の健康維持に欠かせません。
古い爪を剥がすため、木や布、ダンボールなどに力をかけて爪を整えます。
健康維持のために必要な行為で、人間でいう爪切りやストレッチの役割も兼ねています。

2. 気持ちの切り替え

爪とぎは猫にとって、人間が行う“深呼吸”に似ているかもしれません。
気持ちを切り替えたり、精神的な安定を保つために必要な行動です。飼い主さんの帰宅時や遊びの前後、留守番の後など、上がったテンションを落ち着けたり、猫は爪とぎで気持ちをリセットします。
これは「いたずら」ではなく、猫にとって自然なストレス解消です。

3. 縄張り確認

肉球にはフェロモンを出す腺があり、爪とぎをした場所には傷だけではなくニオイ(フェロモン)が残ります。爪とぎは 「ここは自分の場所」 と示すマーキング行動の一種です。
家具や壁が狙われやすいのは、そこが猫にとって通り道や目に入りやすい重要な場所だからです。目につく場所で爪をとぐことで、「ここは自分の安全な場所」 と示しています。

4. 運動不足の解消・ストレッチ

爪とぎにとき、背中をグーンと伸ばすしぐさも一緒にします。全身を伸ばすことは、ストレッチ効果もあります。運動量の落ちたシニア猫には、適度な運動や血流促進にもつながります。

猫が爪とぎをするタイミングと場所の特徴

よくあるタイミング

寝起き直後

目が覚めた直後によく爪をとぎます。
体をグーンと伸ばしながら、爪の手入れも自然に行います。

飼い主の帰宅時や遊びの前後

気分の切り替えや期待感の表現として爪とぎをすることがあります。
このタイミングに適切な場所に爪とぎを置くと、家具を引っかく確率を減らせます。

気分転換・ストレス発散

長時間の留守番や来客後など、心のリセット手段として爪とぎをします。

狙われやすい場所

  • 目につきやすい壁や家具
  • 通り道や休憩場所の近く
  • 猫が安心できるお気に入りの場所

こういった場所に、爪が立ちやすいものがあると、お気に入りの爪とぎスポットになります。

壁・家具を守りながら、猫が安心して爪とぎできる環境づくり

壁や家具を守る対策は、大きく二つ。爪とぎをされて困る場所をカバーするのと、壁や家具の代わりになる爪とぎグッズを置くことです。

適切な場所に爪とぎを置く

猫が爪とぎをしそうな場所に、あらかじめ爪とぎグッズを置きます。それぞれの場所に置きやすいものを選びます。

<置き場所の例>
・通り道や寝る場所の近くに設置
・縦型は壁際、横型は床に安定して置く
・猫の好みに合った素材や形を選ぶ

おすすめアイテム(PR)
爪とぎの素材は色々ありますが、段ボールも猫が好む爪とぎの素材です。とぎカスが出にくいもの、ハウス型やベッド型など、種類も豊富で用途に合ったものが見つかりやすいのが魅力です。
PR▶「(楽天市場)楽天1位 猫 爪とぎ │ 研ぎカスが出ない 1年高耐久 純日本製 」
PR▶「(楽天市場)猫 爪とぎ&ハウス 段ボール 大きいサイズの二重層 強化ダンボール」

壁や家具の保護

爪とぎをされて困る壁や家具には、ツルツルして爪が立ちにくい素材を使用した保護シートや、シートタイプのカバーになる爪とぎなどがあります。

  • 壁保護シート(透明タイプで目立たない)=ツルツルして猫の爪が立たない
  • 家具カバーや布で角を保護=シート状の爪とぎにもなるカバーシートを活用

おすすめアイテム(PR)
透明タイプのツルツル保護シート
PR▶「(楽天市場)楽天1位!!殿堂入り【テカらずサラサラ!】キャットブリーダー監修 猫 壁紙保護シート フィルム 選べる6サイズ 」

シート状爪とぎでカバー
PR▶「(楽天市場)猫 爪とぎ 防止シート はがせる&自由に切れる 大判 ソファー 家具保護 壁紙保護シート」

設置のポイント

  • 猫の通り道や寝る場所の近くに置く
  • 安定感を確保する
  • 場所によって、縦型や横型などを工夫する

多頭飼いの場合には、複数設置がそれぞれのお気に入りを見つけやすいかも、です。

まとめ|爪とぎは猫に必要な生きる儀式

猫の爪とぎは、猫にとっては健康や安心感を保つ重要な本能行動です。
人間にとっては「困る行動」である部分は、適切な環境を整えることで予防することができます。「爪とぎしていい場所」を作ることで、猫も人もストレスなく暮らせます。

ポイント

  • 猫が好む場所に爪とぎを置く
  • 壁や家具を保護する
  • 多頭飼いは数を増やして取り合い防止

おすすめアイテム

  • ダンボール爪とぎ(強化段ボール、ハウス型、ベッド型、縦型、爪とぎポール・スタンドなど)
  • 壁保護シート
  • キャットタワー付き爪とぎ

この記事を参考に、猫の本能を尊重しつつ、家具も守れる快適な爪とぎ環境を整えてみてください。
猫の健康と飼い主の暮らしを両立させるための第一歩になります。