成猫を迎えたあと、
「この子は、いつ懐くんだろう」
「何も起きないまま時間だけが過ぎている気がする」
そんな不安を感じていませんか。
成猫は、子猫のように分かりやすく変化しません。
甘えない、距離が縮まらない、反応が薄い。
それが普通なのか、うまくいっていないのか、判断がつかず戸惑うこともあります。
この記事では、
成猫を迎えてから何も起きなかった時間と、
その中で実際に起きていた信頼の変化を、体験をもとに時間軸で振り返ります。
「いつ懐くか」という答えを出す記事ではありません。
けれど、
何も起きていないように見える時間が、どういう意味を持つのか
それを知る手がかりにはなるはずです。
迎えてすぐの時期(〜1ヶ月)
何も起きない/荒れる/距離が広がる
迎えてすぐの時期は、
猫との距離感で言えば正直いちばんつらい時期です。
- 近づくと逃げる
- 目を合わせない
- 同じ部屋にいても距離を取る
外で暮らしていた猫を直接保護した場合、
威嚇や攻撃といった強い反応が出たこともありました。
触れるどころか、近づくだけで荒れる。
「このまま一緒に暮らせるのだろうか」と不安になることもありました。
一方で、
外 → 保護施設 → 譲渡と段階を踏んできた猫の場合は、
「人慣れ」は進んでいて、見た目はとても静か。
ただ、なかなか距離は縮まらないことが、普通なのがこの時期だと思います。
振り返ると、
この時期は信頼が始まっていないということ。
猫は、人を信じるかどうか以前に、
「ここは安全なのか」を観察している段階だったのだと思います。
この1ヶ月で何も起きなくても、
それは失敗ではありません。
悪化していないこと自体が、ひとつの安定だったのだと思います。
少し慣れてきた頃(数ヶ月)
やっと「何も起きなくなる」
数ヶ月が経つと、
ようやく変化が見え始めることがあります。
- 逃げる距離が少し短くなる
- 同じ空間にいる時間が増える
- こちらを確認するような視線を向ける
ただし、どれもとても小さな変化です。
気を抜くと、見逃してしまうほど。
迎えてすぐ荒れていた猫の場合、
この時期になって、ようやく
攻撃もなく、何も起きない状態に落ち着くことがありました。
ここで大切なのは、
「良いことが起き始めた」と考えて、
こちら(人間)から距離を詰めすぎないことです。
この段階は、
プラスが増えたというより、
マイナスが減ったという感覚の方が合ってる気がします。
それでも、
この「何も起きない」が続くことが、
次の変化につながっていきました。
成猫が懐くかどうか、根本的な考え方についてはこちらの記事で扱っています。
関連記事 ▶ 成猫はいつ懐く?不安になったときの考え方の軸
【体験談①】最初は距離があったのに、気づけば一番そばにいた猫
迎えてからしばらくの間、
その猫は、いつも少し離れた場所にいました。
こちらから近づくと逃げるので、
距離を詰めようとしたことはありません。
ただ、同じ空間で過ごしていただけです。
ある日ふと気づくと、
いつの間にか、すぐそばで眠っていました。
特別な出来事があったわけではありません。
「いつから?」と聞かれても、はっきりとは分かりません。
ただ、
猫が選ぶ距離が、静かに変わっていました。
信頼は、
何かをきっかけに一気に進むものではなく、
気づいたときには進んでいるものなのだと感じた出来事です。
【体験談②】人間が怖い猫でも、信頼はちゃんと伝わってくる
迎えた猫の中には、
10年経っても抱っこができない子もいます。
逃げる癖も完全には消えず、
人に対する怖さを持ったままでした。
それでも、
- こちらを確認してから移動する
- 安心できる場所として同じ部屋を選ぶ
そんな行動が増えていきました。
甘えたり、膝に乗ったりしなくても、
猫なりに「この人は大丈夫」と判断していたのだと思います。
その子は普段、私と距離を保っていましたが、
病院に連れていったとき、
明らかに私に縋りつくような行動を見せました。
その瞬間、
「べったり甘えるかどうか」とは別のところで、
この子なりの信頼が確かに育っていると感じました。
成猫との関係は、派手な変化よりも、
こうした静かな行動の積み重ねで深まっていきます。
信頼は、
人間が想像する形で表れるとは限りません。
怖さを抱えたままでも、関係は育つ。
それを教えてくれた猫でした。
まとめ│振り返って分かること
懐いたかどうかは、後からしか判断できない
成猫を保護した当時は、
「何も進んでいない」
「うまくいっていない」
そう感じていた時期もありました。
けれど、時間が経って振り返ると、
ちゃんと段階があり、
猫なりのペースで関係は変化していました。
成猫との暮らしは、
「いつ懐くか」で測れるものではなかったな、と実感しています。
しかし、
何も起きない時間も、
距離がある時間も、
すべてが信頼の途中にあります。
時間をかけて同じ空間を共有すること自体が、
関係を育てていたのだと思います。
【PR】▶