猫を迎えたばかりの頃、私自身も「避妊去勢って本当に必要なのかな?」「麻酔が心配…」と何度も悩みました。
麻酔のリスクももちろん心配でしたが、特にメス猫はお腹を開く手術になるため、小さな身体にメスが入ることが怖くて、決断までに時間がかかったのをよく覚えています。

一方で、手術をしないまま発情期を迎えると、落ち着かない行動やストレスが強く出てしまう子もいます。いつもいつも悩みますが、家の中で共存し、なにより「室内飼いで長く健康に過ごしてほしい」と考えた結果、私は避妊去勢を選びました。

ただ、手術にはリスクがあります。また、性腺(精巣や卵巣)を取ることで防げる病気がある一方、若いころに性腺を取る弊害もゼロではありません。

この記事では、避妊去勢のメリット・リスク・病院の選び方、術後の準備、そして私の実体験を分かりやすくまとめてみました。
私は手術を受けることを選択してきましたが、それが正解かどうかはその猫ちゃんと飼い主さん、それぞれによって違うと思います。
「手術を受けさせるか迷っている」「メリットとデメリットを冷静に知りたい」そんな人に向けて、あなたの大切な猫ちゃんとあなたにとっての最適解を選べぶヒントになればうれしいです。

猫の避妊・去勢の時期はいつ?まず知っておきたい基本

避妊去勢の一般的な時期(生後何ヶ月?)

  • 生後5〜6ヶ月が最も推奨されるタイミング
  • 体格や健康状態によって多少前後する
  • 保護猫や小柄な猫は獣医師と相談して決定

避妊・去勢は「何歳までに必ずしないといけない」という決まりはありませんが、一般的には生後5〜6ヶ月前後がひとつの目安とされています。

この時期は身体がある程度成長しており、麻酔にも耐えられる体力があります。また、発情が始まる前に手術を済ませることで、ストレス行動や望まない妊娠を防ぐことにもつながります。

とくにメス猫の場合、初めての発情を迎えると落ち着かず、夜鳴きなどの行動が起こりやすいため、その前に手術してあげると生活の負担がぐっと減ります。

月齢はあくまで目安で、大事なことは手術(麻酔)に耐える体力、体格が十分であるか、ということです。

「最適なタイミング」にこだわる必要はありません。獣医師に体重や体調を見てもらいながら、その子に合った時期を決めていきましょう。

オスとメスでタイミングは違う?

手術の負担が大きいのはメス猫(開腹手術)ですが、オス・メスとも生後6ヶ月前後が基本です

  • オス猫: 精巣の切除のみで、身体的負担は比較的軽い
  • メス猫: 卵巣・子宮の摘出のため開腹が必要で、回復に数日〜1週間程度かかる

避妊去勢手術の費用は?

地域差もありますが、手術のみで以下の費用程度の病院が多いようです。
この費用プラス、術前検査代やお泊り(入院)費用が別途かかる場合があります。
親切な病院なら必ず教えてくれますから、いくらかかるか不安な場合は、遠慮せずに聞いてみてください。

・オス:8,000〜18,000円
・メス:15,000〜30,000円前後

私の体験談:避妊去勢を迷った理由と実際の変化

我が家の「時期」を見誤った例

生涯、去勢をしなかった子

一番最初に飼った子が、去勢手術を検討するころ、てんかんを発症してしまいました。当時(2000年頃)避妊去勢手術が今ほど「当たり前」でなかったため、麻酔のリスクを楽観視できず、手術をせず生涯過ごしました。
元々おとなしい子だったので、凶暴性で問題が起こることはありませんでしたが、最後までマーキング(スプレー行動)に悩まされました。

オス同士、本気のケンカ

最初の子に手術しなかったため、続いて保護した子の手術もためらっていました。さいわい、保護したのがオスばかりだったこともあって、その子たちが1歳を過ぎてもまだ迷っていました。マーキングも始まっていましたし、もう限界かな、と思っていたころ、何がきっかけだったのか、彼らがうなり声をあげる本気のケンカを始めてしまったのです。
なんとか引きはがしましたが、私も巻き添えをくって、跡が残るけがをしました。
その後、すぐにその子たちは去勢手術をし、それ以降、その時のような本気のケンカは見たことがありません。

メスが発情してしまった

メス猫を初めて保護したとき、保護時点の推定月齢を誤っていたのか、思ったよりも早く発情を迎えてしまいました。イライラした様子で、いつもとは違う大きな声で鳴いたり、家の中をウロウロしていました。オスは皆、去勢手術をしていましたが、オス猫たちもソワソワしていました。それを見て、手術しない限りこれを繰り返すんだと思ったら、メスもオスも可哀そうで、発情が落ち着くのを待って手術を受けました。

避妊去勢は本当に必要?手術のメリットと術後の変化

避妊去勢は義務ではありませんが、室内飼いにとってはメリットがあります。
避妊去勢しないと、どういうことが起こるのか、発情期の行動や病気リスクを知ることは、避妊去勢を考えるうえで大切な情報です。

猫の避妊去勢のメリット①望まない妊娠を防ぐ

未避妊・未去勢のままだと、予期せぬ妊娠につながり、猫にも飼い主にも大きな負担です。
オス・メスが混在する多頭飼いではもちろん、単独飼いでも脱走が起こったとき、メスなら妊娠の心配も重ねてしなければならなくなります。未避妊・未去勢自体が、外への興味を強くする脱走のリスクを強める危険もあります。

猫の避妊去勢のメリット②発情期のストレス軽減

メス猫の発情は、妊娠しなかった場合、早ければ半月ほどで発情を繰り返します。メス猫の発情につられて、オス猫のマーキングもエスカレートします。

  • メス猫:大きな声で鳴き続ける・夜鳴き・落ち着かない
  • オス猫:スプレー行為(マーキング)が増える

猫の避妊去勢のメリット③将来の病気リスクを低減

性腺(精巣や卵巣)を取ることで、その臓器に由来する病気は起こりにくくなります。

  • メス猫 → 乳腺腫瘍・子宮蓄膿症・卵巣疾患のリスクを大幅に減らせる
  • オス猫 → 精巣腫瘍・前立腺疾患のリスク軽減

手術後に起こりやすい変化

  • 性格が穏やかになる
  • 食欲が増える → 肥満注意
  • 運動量が減る → 室内運動の工夫が必要
  • オスのマーキング(スプレー行為)が減る

術後の変化は個体差があります。
我が家の子たちを見てみると、猫同士の本気のケンカはなくなりました。困りもののマーキングもほとんどの子でなくなったのですが、やはり何匹か(確率1/7程度=我が家調べ=)にはマーキングのくせが残っています。

避妊去勢手術や麻酔のリスク

手術にはメリットが多い一方、ゼロではないリスクを理解しておくことも大切です。
麻酔や薬剤などのリスクはゼロにはできませんが、事前の検査や術中の適切な管理で、そのリスクはじゅうぶん低くすることもできます。

麻酔リスクと事前検査

手術をするときの大きなリスクとして麻酔の使用があります。麻酔薬そのものへの副作用のリスクや、麻酔薬やその他の薬剤へのアナフィラキシーショック(全身に現れる重篤なアレルギー反応)のリスクなど、それらは命にも関わります。

そのために、事前の検査や問診で、麻酔に耐えられる体力はあるか、薬剤へのアレルギーはないかを、調べておくことはリスク回避のために重要です。術前に必要な検査をしてくれるかどうかは、病院を選ぶ際の大きなポイントにもなります。

  • 手術(麻酔)に耐えられる体力はあるか→心臓・腎臓への負担
  • 使用する薬剤などへのアレルギー反応
  • その他、健康面で手術のリスクになる既往症はないかなどの問診

メス猫は回復に時間がかかる

オス猫の手術は、傷の大きさもメスより小さく比較的簡単ですが、メス猫は開腹手術でオスに比べて傷が大きいため回復に数日〜1週間かかります。
術後は傷口を舐めないように注意し、安静を保つことが重要です。

術後に気をつけたいポイント

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海外研究:ワイルドキャロットの避妊効果

手術には踏み切れない。けれども、望まない妊娠は避けたい。
その両方の思いを叶える、メス猫の避妊方法の一つとして、ワイルドキャロット(和名:野良人参)を使用する方法があると聞きました。

海外の研究では、**ワイルドキャロット(Daucus carota)**に含まれる成分が、避妊や生殖系に影響を与える可能性があることが報告されています。ハーブ療法の避妊方法として、古来からヒトでも取り入れられてきた方法です。

しかし、科学的にはまだ、そのメカニズムが確立されていないので、医学的には(獣医学的にも)「確実に効果のある方法」とはされていません。

また、避妊効果を確実に得るためには「毎日」「確実に」摂取することが必要で、1日でも忘れると妊娠可能になってしまうという大きなデメリットもあります。また、場合によっては、ワイルドキャロットによる副作用の可能性も考えておかなければいけません。

メス猫の避妊方法として、手術(麻酔)のリスクを避け、自然な方法で避妊できる良い方法なのですが、日本語での情報は非常に少ないのが現状です。もしも、実践する場合はご自分でも十分調べたうえで、自己責任でお願いします。

安心して任せられる動物病院の選び方

病院選びは手術の成功や満足度に直結します。何度か通って、信頼できる先生か、何でも相談しやすい雰囲気はあるか、を自分でも実際に経験することは大事です。またレビューや、できれば信頼できるお知り合いの方の感想を聞くなどしても良いと思います。

  • 手術件数や症例数の確認(同じ地域で長く開業しているのも目安になります)
  • 麻酔・術後管理の説明が丁寧か
  • 術後フォローや入院の有無
  • 料金・見積もりを提示してくれるか

避妊去勢後に準備しておくと安心なアイテム

  • キャリーバッグ:術後も楽に出入りできる構造で、中で快適に過ごせるものが理想です。脱走の危険がないように、開閉留め具のしっかりしたものを選びましょう。

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  • エリザベスカラー:傷舐め防止。ソフトタイプがおすすめ
  • 術後ウェア:メス猫の開腹手術後に必須
    エリザベスカラーや術後ウェアは、病院が簡易のものを準備してくれることもありますが、簡易のものは脱げたり、生活に合わなかったりすることも多いので、事前に我が子に合うものを見繕っておいてもいいかもしれません。

PR▶術後の不便を少しでも快適に

  • ウェットフードや猫用ミルクなど:術後のご飯は、医師に聞いた観察点を参考に徐々に与えていきますが、思ったほど食べてくれないときに、水分補給としてあげることができます。

まとめ

避妊去勢手術は迷うのが当然です。
手術にはリスクはありますが、室内飼いならメリットの方が大きいと私は感じています。

  • 望まない妊娠の防止
  • 発情期のストレス軽減
  • 室内で足る穏やかな生活

術後、猫たちは落ち着き、穏やかに生活しています。
ですが、これは「室内で人間と一緒に住むときの人間側のメリット」が大きいと思っています。手術のリスク、性腺をとることでホルモンバランスを崩すリスクを負わせてまで、一緒に住むことに決めたのだから、だからこそ、自分にできる全力で、猫が幸せに過ごす生活を守らなければならないと思っています。

避妊去勢は「絶対にすべき」「しないほうがいい」という白黒の答えがあるわけではありません。
その子の性格・体質・暮らし方、そして飼い主さんの価値観によって最適解は大きく変わります。

この記事が、あなたと猫ちゃんにとっての“納得できる選択”を見つける手がかりになればうれしいです。

もし、術後のケアが不安な方は、
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