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前回の記事では、ケージが決して「閉じ込める檻」ではなく、猫の命を守る「安全基地」や「ICU(観察室)」になるというお話をしました。
では、実際にケージを導入する際、どのような基準で選べば良いのでしょうか? デザインや価格など選ぶポイントはいくつかありますが、最大35匹の猫たちと暮らし、長年さまざまな飼育用品を試してきた私が最も重要視しているのが「素材」です。
この記事では、看護師・保健師としての「衛生管理の視点」からケージの素材を比較し、我が家で長年愛用しているスチール製ケージの知られざるメリットや、ちょっとしたDIY活用術をご紹介します。

ケージの3大素材を「衛生管理」の視点で比較する
猫用ケージは、主に「木製」「プラスチック製」「スチール製」の3つに分けられます。それぞれ一長一短がありますが、医療や公衆衛生の視点で見ると、明確な違いがあります。
1. 木製ケージ:インテリア性は高いが、衛生管理に課題
木製のケージは、家具のように部屋に馴染む温かみのあるデザインが魅力です。しかし、木材は水分を吸収しやすいため、猫が吐いてしまったり、トイレを失敗したりした際に、汚れが染み込んでしまいます。 また、汚れを落とそうとして洗剤などを使うと、使うものによっては木材そのものに匂いが残ってしまい、匂いに敏感な猫のストレスになる可能性もあります。多頭飼いでこまめな清掃が必要な環境では、衛生管理のハードルが少し高くなります。
2. プラスチック製ケージ:軽くて丸洗いできるが、拡張性に欠ける
プラスチック製は錆びる心配がなく、お風呂場で丸洗いできる軽さがメリットです。水拭きもしやすいです。 しかし、一度組み立てると分解しにくい構造になっているものが多く、後から「もっと高くしたい」「広くしたい」と思ったときに、パーツを買い足して拡張することが難しいというデメリットがあります。
3. スチール製ケージ:圧倒的な衛生管理のしやすさと頑丈さ
いわゆる「檻」のような見た目になるため敬遠されがちですが、私がおすすめしたいのはスチール製(金属製)です。 最大の理由は、清潔を保ちやすいことと、専用の追加パーツが豊富で拡張しやすいことです。
猫への刺激を考えて、私は強いアルコールなどでケージを拭くことは避けています。そのため日々のお手入れは「水拭き」が基本になりますが、スチールなら汚れが一切染み込まず、サッと拭き取るだけで清潔になります。さらに、念入りに綺麗にしたい時や、感染症対策としてしっかり殺菌したい時には、「お湯(熱湯)」を使ったお手入れができるのも大きな強みです。
※スチール製の注意点:高くすると「揺れやすい」 とても優秀なスチール製ですが、段数を高く組み上げた場合、猫が上下運動をした際の反動で「ケージ全体が揺れやすい」という弱点があります。 頑丈なので倒れる心配はほぼありませんが、ケージ内に置いている飲み水がこぼれてしまうことがあるため、水入れをケージの網にしっかりと固定できるタイプを選ぶなどの工夫が必要です。
多頭飼いだからこそ!スチールケージのDIY活用術
スチール製ケージをおすすめするもう一つの理由は、その「カスタマイズ性」の高さです。
長年多頭飼いをしていると、悲しいことですが、虹の橋へ向かう子もいます。我が家でも、お別れによっていくつかケージに空きが出ました。 保護団体などへ寄付することも考えましたが、使用感がありお譲りするのもためらわれたため、「パーツを分解し、丈夫なワイヤーメッシュとして再利用するDIY」を思いつきました。
パネル単体で活かせるのはスチール最大のメリット
以前、保護猫用に「ケージを2つ並べてくっつける」という簡単な突貫工事をしたことはありますが、今回は「より快適な空間」を求める別物です。ケージを一度バラバラにし、1枚のパネル(ワイヤーメッシュ)として今のケージに組み込んで拡張しようと計画しています。
しかし、いざ構想を練り始めると、角の繋ぎ方や強度の確保、棚板パーツとの兼ね合いなど、ジョイントで繋ぐだけでは上手くいかないパズルのような難しさに直面しています。
一筋縄ではいきませんが、「パネル1枚1枚を単体で頑丈なワイヤーメッシュとして自由に再利用できること」は、プラスチックや木製にはないスチール製ならではの特権です。結束バンドなども駆使すれば、アイデア次第で自由自在に形を変えられます。
安全で快適な大型ケージを目指して思案中
現在、猫たちが安全に伸び伸びと過ごせる広々ルームを目指して、あーでもないこーでもないと試行錯誤の真っ最中です。
この「ワイヤーメッシュを活かした拡張DIY」が無事に完成した暁には、具体的な手順や上手くいかなかったポイントなども含めて、別の記事で公開する予定です。楽しみにお待ちいただけると幸いです。

まとめ|形を変えながら長く寄り添うスチールケージ
一見、冷たい印象を持たれがちなスチール製ケージですが、「徹底した衛生管理ができること」と「ライフステージに合わせて形を変えられること」は、猫の安全と快適さを守る上で非常に大きなメリットです。
長年使い込んだ道具を無駄にせず、今いる猫たちの生活の質(QOL)を上げるために再利用していく。これも、猫たちと一緒に歳を重ねていく上での、ひとつの楽しみ方かもしれません。
ぜひ、ケージ選びの際は「数年後の使い道」や「お手入れのしやすさ」も想像しながら、ご自身のライフスタイルに合った素材を選んでみてくださいね。