「猫には自由にのびのび過ごしてほしい…でもケージに入れるのはかわいそう？」
猫は外でのびのび過ごすのが本来の姿。そう思う人は多く、かつては完全室内飼いも可哀そうという声をよく聞きました。
完全室内飼いが当たり前になってくると、今度はケージ飼いについての悩みをよく聞きます。
外より狭い家に閉じ込め、それよりも狭いケージに閉じ込めるのはかわいそう。猫を愛していれば、そう思うのは当たり前だと思います。
しかし、猫の安全や多頭飼いでの体調面の管理のしやすさを考えると、ケージ飼いは大きなメリットがあります。本記事では、猫飼い初心者の方でも安心して導入できる「猫 ケージ飼い」のポイントや、実体験を交えた活用方法をご紹介します。
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猫にケージ飼いは必要？ケージを使う安全面のメリット
ケージ飼いをかわいそうと思うのは猫への愛情ゆえですが、ケージを利用するメリットもあります。
私がケージ飼いを選んだ理由
正直なところ、「ケージはかわいそう」という思いは、意識の中のすみっこにずっとあります。猫にはできるだけ自由な空間で過ごしてほしい——。
しかし、猫が増えていくと、食事量の差や体調の変化に気づきにくいこと、留守中のちょっとしたトラブルを完全には防げないことに不安を感じ始めました。
そこで試しに短時間だけケージを使ってみたところ、猫たちが意外にも落ち着いて過ごしてくれる姿を見て考え方が変わりました。
ケージは「閉じ込める場所」ではなく、「安心して過ごせる場所」にもなる。そう気づけたことが、私がケージを本格的に取り入れる決め手になりました。
ケンカや事故から猫を守る(留守中や夜間の安全管理)
我が家は多頭飼いです。避妊去勢をしていれば、飼い猫同士で大きなケンカになることはほぼないのですが、ケンカそのものよりは気の合わない同士が本気の追いかけっこをして、思わぬ激突や落下することがあります。仕事で留守にする日中や私が寝ている間に、そういったことが起こったらどうしようという思いがありますが、ケージを活用することで、その心配がぐっと減りました。
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多頭飼いでもケージで個別管理がしやすい
猫の健康を管理するには、食事量や飲水量、排泄の確認が必須ですが、ケージで個別に管理できれば、これがぐっと簡単になります。
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ケージ飼いのデメリットと誤解
ケージ飼いをかわいそうという意見は根強くあります。私もできればケージをなくして、家の中ならいつでも、どこでも自由に過ごせるようにしてやれたら、と思うのが本音です。ですが、上記のメリットを天秤にかけたとき、私はケージを利用することを選びました。
ケージを利用しても適切なサイズ・配置でストレスを最小化できます。
また、臆病な子は、ケージを安全な居場所と好んで入りたがることもあります。
大事なのは、安全や健康をどうやって守るのかを考えたときに、ケージは有益であるということで、決して閉じ込めておくためだけのものではない、ということです。
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猫ケージの選び方と設置ポイント
ケージのサイズ・形状で選ぶ
猫は横移動だけでなく、縦移動も得意な動物です。ケージは限られた空間ですが、多段タイプを選ぶことで運動量を確保できます。体を動かすことが出来る＝ストレスを減らすことにつながります。それを踏まえたうえで、以下のような点も、ケージを選ぶ際に参考にしてください。
- 縦移動を可能にすることで、ケージ内でも運動できる(少なくても2段以上のケージを選ぶ)
- 猫が立ったまま回転できる高さがあるか
- 出入りしやすい扉や段差があるか
- シニア猫はジャンプ力が落ちるので、ケージ内のステップの高さを考慮する
素材と掃除のしやすさで選ぶ
食べこぼしや思わぬ揺れで水がこぼれることがあるので、その掃除のしやすさは考えておきたいところです。あと、猫は吐くことが多い動物なので、吐いたものの掃除も考えておきたいところです。
- 金属製や樹脂製は掃除しやすく、長持ち
- 水やごはんのこぼれに強いトレー付きが便利
猫のケージ飼いを快適にする環境づくりのポイント
どういった使い方をするかによっても変わってきますが、私のように仕事の留守(8時間以上)を過ごすことになるのなら、ケージ内にトイレ、水飲み、ゆっくり眠れるところは必須です。
- 多段ケージでフロアごとにトイレ・ごはん・寝床を分けて配置
- 爪とぎや隠れ場所を設置
- 日当たりや温度管理も意識して快適な空間に
猫のケージの置き場所で気をつけたいこと
ケージ内を自由に出入りするだけでなく、完全にその中でしか過ごせない時間があるなら、ケージを置く場所も配慮が必要です。それぞれの住宅事情によって「置ける場所」が限られることもありますし、グッズで環境を改善できるものもありますが、できるだけ以下のような場所は避けた方が良いと思います。
- 季節によって温度環境が過酷な場所
- 直射日光が長く当たる場所
- 人の目の届かないところ
猫のケージ飼いに役立つアイテム紹介
ケージ内で猫が安心して過ごせるためのグッズや快適に過ごせるためのグッズを使って、少しでもケージをお気に入りの場所にしてあげたいですね。
ケージ内で使える便利グッズ
給水器
ケージ内でも水を飲めるようにしておくことは大事ですが、ケージ内にただ置いておくだけだと、猫がジャンプした振動でひっくり返ってしまうこともしばしば。ケージ内に水飲みを設置する場合には、ケージのフェンスに引っ掛けたり、取り付けできるものが便利です。
ケージフェンスに取り付けやすい設計になっているメモリ付きの給水器は、飲水量の管理にも役立つすぐれものです。我が家はMサイズを使っていますが、Sサイズでも問題なかったというレビューも見ました。
キャットハンモック
好んで使用する子が多い印象です。ケージの中に設置すると、たいていの子が使用しています。ケージ内をくつろぐ場所にするために心強いグッズです。
シンプルな1枚布タイプも、ハウスタイプもどちらも人気です。
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トイレ
ケージでお留守番するなら、トイレの設置も必須ですよね。ケージのサイズにもよりますが、掃除のときに、引っ張り出すにしろ、そのまま中で掃除するにしろ、大きなフード付きタイプは掃除しにくいです。最近は、ケージの最下段にトレー式のトイレが備わっているものもありますが、トイレを別に買ってケージ内に置くなら掃除のしやすさではオープンフラットタイプがおすすめです。種類も豊富で安価なものも多いので、お試しでオープンタイプを購入して、そこから合うものを探していくのも良いと思います。
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ケージ飼いをスムーズに始めるためのコツ
猫にケージを好きになってもらうには、「ケージに入ると良いことがある」「ケージは落ち着くところ、安全なところ」と思ってもらうことが大切です。
そのため、食事はケージ内で与えることを習慣にすると、スムーズにケージに慣れるようです。
また、ケージが猫にとって落ち着く場所になるために、ケージ内に寝床やハンモックなどを設置するのももちろんですが、ケージ自体をカバーや毛布などで覆って目隠ししてあげるのも落ち着くようです。
ケージ飼いの注意点
長時間閉じ込めない工夫
慣れれば、長時間のお留守番をすると分かっていても、猫も自分からケージに入ってくれますが、ずーっと入りっぱなしはやはり運動不足や、人とのふれあい不足など、見逃せないデメリットがあるのも本当のところ。
留守中の安全確保や、夜中は寝てくれないと困る、など個々のお宅の事情はあると思いますが、できるだけケージから出て遊ぶことも大切です。人の在宅時には猫がケージの外で遊べる時間を作る。ケージから出ても安全な環境を作るなど工夫しましょう。
思わぬ事故への備え
安全のために使用するケージですが、退屈を紛らわせようと置いておいたおもちゃなどで思わぬ事故が起こることもあります。ケージ内に設置するときは、誤飲につながるようなものではないか、体が引っかかって宙づりの危険がないか、など十分気を付けてあげましょう。
また、「安全のためのケージ」と矛盾していますが、ケージの隙間に猫が手を挟んだことによる事故なども聞くことがあります。特に使い始めは、猫がケージの中でどのように過ごしているかの観察と、必要なら隙間を埋めるなどの対策が必要かもしれません。
まとめ：ケージ飼いは「安全」と「安心」をつくる大切な選択肢
ケージ飼いには、
✔ 安全面
✔ 多頭飼いでの管理
✔ 生活リズムの安定
など、思っている以上に大きなメリットがあります。
もちろん、長時間の閉じ込みを避けたり、ケージ内の快適さを整えたりと、工夫は必要です。
でも、それさえできれば、ケージは“猫の安心基地”としてとても役立ちます。
